Hansen溶解度パラメータ(HSP)は、Hansen Sphere法を用いて得られる値ですが、複数の溶媒を検討するなど煩雑な実験が必要であるため、有機分子の分子構造からHSPを推定する手法が古くから開発されています。
代表的な手法の一つとして「原子団寄与法(Group Contribution Method)」が知られています。原子団寄与法は、分子を構成する各「原子団(functional group)」が溶解性に与える寄与を数値化、それらの寄与値を合計することでHSPを推定する手法です。
たとえば、メチル基(-CH3)、ヒドロキシ基(-OH)、カルボニル基(=O)など、特定の官能基ごとに事前に割り当てられたパラメータを用いてHansen溶解度パラメータを算出します。この方法は、これまでにvan Krevelen&Hoftyzer法、Stefanis&Panayioyou法、Y-MB法、JKU-HSPなど、様々な計算法が提案され、その簡便さから、実験的手法の代替または補完手段として利用されています。