SoluVisionでは、機械学習法に基づいて、分子構造情報を入力することで、溶解度パラメータを計算する機能を備えています。SoluVisionでは、分子構造の入力方法として「構造式」と「SMILES」の2通りを用意しています。
構造式:専用ソフトで分子構造を記述する方法SMILES:分子構造を文字列として記述する方法
高分子における分子構造高分子の分子構造を記述する際には、”繰り返し構造”を定義する必要があります。繰り返し構造を描写する方法は、最小の単位構造の末端を示す[X]を記載するようにしてください。例えば、ポリエチレングリコールの場合では、右図のように[X]を用いることで繰り返し構造を描写することができます。
*複雑な分子構造への対処法-時短テクニックと小ワザ複雑な分子構造を記述する際、すべての構造式を一から描くのは手間がかかります。そこで、SoluVisionでは以下のような工夫が可能です。
(1)部分構造の特定とSMILES利用複雑な分子の場合、大部分を占める共通の部分構造(例えば、フタロシアニンなど)を特定し、化学物質データベースなどから該当するSMILESを取得して入力します。これにより、入力作業の大幅な時短が可能になり、記述ミスの低減にもつながります。
(2)構造式を活用した分子構造の修正SMILESから分子構造が反映された後、画面上部の「分子構造」ボタンをクリックして、分子構造の編集ができます。これにより、入力した分子構造を視覚的に確認しながら、必要に応じた修正が可能です。
3D分子構造の活用SoluVision ver3.0以降では、分子構造から3次元構造を表示する機能が追加されました。これにより、分子の立体配置や結合角、空間的な配置を直感的に把握できます。3次元構造は分子を回転させたり、拡大縮小したりすることも可能です。
3次元構造は分子動力学法による構造最適化を行なっています。高分子の場合では、繰り返し単位のみが表示される仕様となっています。分子構造が正しく記載されていない場合、計算エラーとなるため、入力前に必ず確認しましょう。