このページでは、SoluVisionの主要機能の1つである溶解度パラメータの計算・推定・取込について取り扱い方法を記載しています。SoluVisionでは、δd(分散項)、δp(分極項)、δd(水素結合項)を含む、溶解度パラメータを取り扱います。この機能は使用するためには、対象となる材料カテゴリ(例:有機小分子)を選択し、溶解度パラメータのボタンをクリックします。
なお、SoluVisionで取り扱う溶解度パラメータは全て室温条件下における値となる点にご留意ください。
このページでは、SoluVisionの主要機能の1つである溶解度パラメータの計算・推定・取込について取り扱い方法を記載しています。SoluVisionでは、δd(分散項)、δp(分極項)、δd(水素結合項)を含む、溶解度パラメータを取り扱います。この機能は使用するためには、対象となる材料カテゴリ(例:有機小分子)を選択し、溶解度パラメータのボタンをクリックします。
なお、SoluVisionで取り扱う溶解度パラメータは全て室温条件下における値となる点にご留意ください。
SoluVisionでは、Hansen Sphere法とHansen Double Sphere法(界面活性剤)に基づいて、実験結果を入力することで、溶解度パラメータを計算する機能を備えています。実験では、各種溶媒を用いた材料の挙動(溶解、分散、膨潤、濡れ性など)を評価し、良溶媒(◯)と貧溶媒(×)、未検討の溶媒(ー)の判定を行います。
良溶媒・貧溶媒の判定と入力のコツ
溶媒選定:SoluVisionの溶解度パラメータ計算では、最低2つ以上の良溶媒(水を除く)を選択する必要があります。幅広くかつ多数の溶媒検討が望ましいですが、計算結果に表示される推奨溶媒を検討することが、計算の精度向上への近道となります。
評価指標の活用:計算結果に表示されるFitting率や相互作用距離:R0を参考に、入力データの信頼性や計算結果の妥当性を確認することが重要です。
良溶媒か貧溶媒の判定がしづらい場合。どちらの場合の条件でも計算を実行し、計算結果を確認した上で、適切な判定を検討することを推奨しています。また、高い精度を求める場合には、定量的な分析方法を用いることも推奨しています。
SoluVisionでは、機械学習法に基づいて、分子構造情報を入力することで、溶解度パラメータを計算する機能を備えています。SoluVisionでは、分子構造の入力方法として「構造式」と「SMILES」の2通りを用意しています。
構造式:専用ソフトで分子構造を記述する方法SMILES:分子構造を文字列として記述する方法
高分子における分子構造高分子の分子構造を記述する際には、”繰り返し構造”を定義する必要があります。繰り返し構造を描写する方法は、最小の単位構造の末端を示す[X]を記載するようにしてください。例えば、ポリエチレングリコールの場合では、右図のように[X]を用いることで繰り返し構造を描写することができます。
*複雑な分子構造への対処法-時短テクニックと小ワザ複雑な分子構造を記述する際、すべての構造式を一から描くのは手間がかかります。そこで、SoluVisionでは以下のような工夫が可能です。
(1)部分構造の特定とSMILES利用複雑な分子の場合、大部分を占める共通の部分構造(例えば、フタロシアニンなど)を特定し、化学物質データベースなどから該当するSMILESを取得して入力します。これにより、入力作業の大幅な時短が可能になり、記述ミスの低減にもつながります。
(2)構造式を活用した分子構造の修正SMILESから分子構造が反映された後、画面上部の「分子構造」ボタンをクリックして、分子構造の編集ができます。これにより、入力した分子構造を視覚的に確認しながら、必要に応じた修正が可能です。
3D分子構造の活用SoluVision ver3.0以降では、分子構造から3次元構造を表示する機能が追加されました。これにより、分子の立体配置や結合角、空間的な配置を直感的に把握できます。3次元構造は分子を回転させたり、拡大縮小したりすることも可能です。
なお、3次元構造は分子動力学法による構造最適化を行なっています。高分子の場合では、繰り返し単位のみが表示される仕様となっています。
分子構造が正しく記載されていない場合、計算エラーとなるため、入力前に必ず確認しましょう。
SoluVisionでは、自社で保有している溶解度パラメータや、文献から取得した溶解度パラメータといった外部データを活用できるように、溶解度パラメータの取込機能が用意されています。
この機能では、物質名、dD、dP、dHが必須情報、相互作用距離R0は任意情報として、入力します。入力情報は、他の計算結果と同様にSoluVision内で管理・保管され、その他の計算結果画面での表示や溶媒探索に活用することができます。
溶解度パラメータに関する機能では、全ての場合において、物質情報、および保存情報の入力を行います。
物質情報:物質名、分子構造、組成式、CAS番号、試薬メーカー、メーカー品番の情報を入力します、物質情報は一度入力すると、この溶解度パラメータを用いた次回以降の計算に自動的に引き継がれるため、初回入力時に詳細に記載することが効率向上につながります。
保存情報:計算名、コメントを入力します。計算名は後から参照しやすい名前を付けることで、計算結果画面で容易に目的のデータを検索・確認できるようになります。