各種用途に使用されるゴムや樹脂材料は、使用環境に対して耐性を持つことが重要です。しかし、単一溶媒だけでなく、混合溶媒まで網羅的に評価しようとすれば大量の実験が必要で、非常に手間がかかると思います。
例えば、こちらの記事にある地球温暖化対策の事例のように、ガソリンにバイオ燃料を混合した場合、混合前の溶媒それぞれに対しては高い耐性を持つ材料が、それらの混合溶媒に対しては耐性が低くなる現象があります。
このようなケースは溶解度パラメータを用いることで一定、その耐性を推測することが可能です。溶解度パラメータを使って、先のような懸念点を抽出することができれば、研究開発の効率化につながり、新たな課題の発見にも繋がります。
本記事では、ゴム材料の耐薬品性の評価を想定し、フッ素ゴムがガソリンとバイオ燃料の混合溶媒に耐性を持つかどうかの初期評価を、公開されているデータシートを元に検討してみたいと思います。